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③運命のクラス分け

語学研修のコースでは、まず最初にレベルチェックのテストがあります。梨大の8月のコースは、2000年度に比べ約2倍の100人が参加。ざっと見たところ、80パーセントがふだん日本で生活している人でした。

今回は、レベルは1から3の3段階、1段階は4クラス、2段階は2クラス、3段階は1クラスの設定で、細かくレベル分けがされています。テストの内容は、筆記テストが2種類とインタビュー。筆記のほうは1つが基本問題、もうひとつは中級レベル以上の内容です。受験者の中には、ハングルを読めない人もいるらしく、試験開始から5分、はやくも大阪弁のおばちゃんが「もうあかんあかん、こんなん読めへんし、見たって分からへんわ」と大声で独り言をのたまい、ドスドスと教室をあとにされました。さすが、大阪のオバちゃんは、韓国のアジュンマ並みにキャラが立ってます。

わたしの韓国語学習歴はおよそ1年半。週2回、語学学校に通うペースで勉強してきましたので、自分では初級はクリアしたつもりだったのですが、このテストでは相当へこみました。難しいほうの筆記は全然出来なかったし、インタビューではあわあわするわ、変な汗は出るわで、もうテンション下がりっぱし。そんなわたしが入ることになったクラスが、な、なんと最上級の「3-1」クラス。あかん、ついてけへん、と一瞬弱気が頭の中をよぎりましたが、ちょっと背伸びをしたほうが語学は伸びるというし、なんとかついていけますように、元が取れますように、と密かに祈ったのでした。

クラスのメンバーは全部で15人。年齢的には上から2番目、結婚しているのはわたしひとり。ほとんどが、夏休みを利用してやってきた大学生で、しかも女性が多かったです。また、在米韓国人の1人(しかし、実は日本語学習歴があるので、彼も日本語を話せるのであった…)を除くと、あとは全員日本をベースにして生活をしている人間でした。入門レベルのクラスはそれこそ世界中からメンバーが集まっていたようで、それはそれでちょっぴりうらやましかったですが、わたしのクラスは見事なまでに個性的なメンツが揃っているうえに、居心地の良い雰囲気だったので、毎日クラスのメンバーと会うのがとても楽しみでした。

初日の授業は、自己紹介から始まったのですが、みんなようしゃべる、しゃべる。特に民族系の学校を卒業した人達には、言葉はバンバン出るし、教科書はすらすら読むし、圧倒されっぱなしでした。正直、こんな人たちと3週間いっしょに授業を受けて、果たしてついていけるやろか、お先真っ暗やなぁ、と思ったことを今でもよく覚えています。

この日からわたしの授業との「格闘」が始まりました。梨大の場合、朝9時から授業がスタート、3時限まであります。2時限と3時限の間は休憩時間が20分あったので、先生は「キムパプ(のり巻)も十分食べられますね」なんて言ってましたが、実際、わたしもよくキムパプやトッポッキ(餅を甘辛く炒めたもの)をつまんでクラスメイトと話をしたものでした。腹が減っては戦はできぬ、であります。

授業はオール韓国語。教科書自体は実用的で、とてもよく考え抜かれた構成になっていると思いました。しかし、宿題は大量、予習の量もはんぱじゃありません。わたしの場合は、ついて行くのがやっと、というレベルだったこともあって、宿題と予習でおよそ4時間は机にかじりつく毎日でした。学校の授業とあわせると、8時間は韓国語の勉強をしていたことになります。当然、息抜きをしたくても出来ない状況に追い込まれ、どんどん煮詰まっていくわたしに、手を差し伸べてくれたのが、クラスのメンバーだったのです。

昼ごはんを食べながら、悩み話を聞いてくれたり、外へ連れ出してくれたり。彼女/彼らと話をするのは、語学学習の苦痛を忘れるほど、本当にありがたいひとときでした。次回は、クラスのメンバーについてもう少し。




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